高気密高断熱編  home 執筆・編集 (有)土屋建築 土屋紀明  
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1. 高断熱・高気密住宅?

2003.11

 高断熱・高気密住宅とは、断熱材の量や入れ方、構造や施工の工夫などにより、大幅に熱環境性能が上がった住宅をいいます。
そして、その工事内容により、様々な工法名で呼ばれていますが、T地区、U地区の次世代省エネ評定取得と謳ってあるなら
まずは高断熱・高気密工法でしょう。(次世代省エネ評定とは)
(V地区以下は、気密性能が甘く、W地区以下は、窓を含め断熱性能まで低くなっていて、とても高断熱・高気密とはいえないと思う)
ではこの工法どんなメリットがあるかというと   (
これは私が感じているもの) 

  壁の中の断熱材結露を防ぐ作りのため、腐朽菌(木材が腐る原因のカビ菌)の繁殖の原因がなくなります。
   そのため柱や土台が腐らず、
住宅が長持ちし、腐食原因の強度低下を起こさない
 
 窓や壁の表面結露が起こりにくい(カビや、カビを食べるダニの発生原因を防ぐ) 
  冬、暖かく快適、 また部屋〜部屋の温度差が少ないため、温度差による体調不調も起こりにくい。
 
 冬場の水道ヒーターの電気代が少なくなり凍結の心配も無くなる。 (住宅の取入箇所のみのヒーター巻ですむ)
 
 普通の住宅に比べ、少ないカロリーで全室暖房できる。 (省エネ)
  気密性がよいため、換気が、計画通りに働き、におい・化学物質が効率的に外にでる   などです。
 ■また暖かい地区では、冷房効果があがるということも

  なぜとか、少し難しいと思う方はここをクリックしてください。 SHS工法のHP (うちが会員になっている外張り断熱工法)



                         

上のメリットは、上記にある当社採用のSHS工法だけでなく、北海道で多い、グラスウール断熱材による充填断熱工法や、
他の
高断熱・高気密工法全てに、当てはまります。(下記の部分を含めて正確な工事がなされている場合に限る)

 しかし、
高断熱・高気密工法で作れば、全て同じなのか、といえば、そうでもありません
まずは、断熱材の入る
床・壁・天井や、窓の断熱性能の差があります。(それは断熱方法や、断熱材の違いと言うよりその部位ごとの
K値(熱貫流率)で決まる。たとえば熱伝導率値が小さい断熱材でも薄いと効果が少なく、多少値が大きくても厚く材料を使えれば良い
性能がでたりします。)
また、気密性能や、換気方式などによってもかわります。
しかしそれらの条件が同じだとしても、
設計次第で結果が大きく変わってしまうのです

 高断熱・高気密工法といって、言葉通り、断熱をして、隙間をなくすだけの工法だと思っているなら間違いです
本当は、高断熱・高気密・計画換気・熱環境計画工法と言った方が、正しいのかもしれません。
つまり
、換気のこと、暖房のこと、日射のこと、冷房のこと、通風のこと、間取りのこと、なども含めトータルで考え、設計できないと
この工法のよさが、あまり生かされてこないのです。

だから、あなたが、高断熱・高気密工法で作りたいと考えているなら、工法名や会社の名前で選ぶのではなく、

 ちゃんと、この工法を理解できている人が、設計に係っている。

 現場で、断熱工事、気密工事を理解して、作業している。 (又は、現場監督が工事を理解して、よく現場に通っている)

などが、非常に重要です。

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