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 ■ 別荘建築 目次 

別荘とカビ ④室内編Ⅰ
執筆・編集 (有)土屋建築 土屋紀明
群馬県吾妻郡嬬恋村大前99-1
TEL   0279-96-0356
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室内カビの対策と防湿工事について


□ 別荘内はカビ易い!

 
みなさんは、別荘用途の建物内は一般住宅に比べ、湿気が高くなり易く、カビ易いと言う事はご存じでしょうか?。
しかしこの周辺でも湿気の少ない北軽井沢の土地オーナーは「それは湿気が多い軽井沢の別荘の事だろう?・・・軽井沢なら仕方がないのではないか・・・」 などと多他人事のように思っている人もいるかもしれません。 ・・たしかに、それは的外れとはいえませんが、実は他にも別荘がカビやすい理由があるのです・・。

 軽井沢は北軽や他の地域に比べ、霧の日が多いなど湿っぽいので建物内も湿気が入りやすのは事実です。 
しかし、北軽井沢のような割と乾燥した地域でも、建築5~10年を過ぎた別荘では、ドアを開ければカビ臭く感じる建物は、それほど珍しい事ではありません。(不動産として中古別荘を見て歩けばわかります・・。) 
 普通の住宅で建物全体がカビくさいとしたら、余程の湿地に建っているか、建物や住まい方に余程の問題があるとしか考えられません。
  しかし、それらの別荘の建築方法は、一般的
(建築基準法)レベルで問題がある場合は少なく、工務店なり建設会社・設計事務所などが普通の住宅と同じように別荘を設計したり造った結果なのです。 つまり、同じ建物でも、普通の別荘の使い方していると、カビ易くなるのです・・・。
 理由は後ほど説明しますが、せっかく建築した別荘がドアを開けた瞬間カビ臭いのでは、どんな高価な別荘でもがっかりですし、内装が自然素材中心の健康住宅系の建物だった場合、
(自然塗料などや珪藻土など自然系材料の抗菌性能自体高くない)カビが広がり易く、「カビ胞子だらけの健康住宅」と言う洒落にならない事にもなりかねず、その場合の有効な対策もあまりありません・・・。 

では、実際に別荘のカビさせないよう対策を取ろうとしたとしても、何となく効果があるように見える工事でも、私からすると実際に効果が疑わしい物や、別荘の使い方や環境が異なる事から、一般住宅向けの対策では上手く行かないケースもあり、そこの見極めも必要でしょう。


□ 別荘内部がカビ臭くなるわけ

ではなぜが別荘が住宅に比べ、カビが易い環境になるのは、気候などの理由を除けば以下通りだと考えています。

 別荘・住宅問わず、床下からの建物内への湿気進入はあるが、特に別荘はその傾向が多いため。

別荘の特徴として、雨樋が無い事や、あったとしても機能不全を起こす事は、以前「別荘での雨樋」書きましたが、
雨樋が無い・・又は、あったとしても機能不全しているケースでは
、降雨時、雨だれが別荘外周部の地盤に直接落ちます。 その事により、雨水が水路等に流されるなどの対応がされている住宅に比べて、建物周囲の地盤に水がしみ込む量が格段に多くなり、その水分が、別荘床下表土に移動し床下で蒸発する事により、床下空間から室内空間に進入して来ます・・。  


 別荘を使用していない長期間に渡って建物内を締め切ってしまうので、床下などから入った水分
   が抜けずに籠もり易く、その結果カビが繁殖しやすい湿度以上になってしまうため。


尚、雨戸やカーテンで日光を遮る事で、室内が建物外部より温度低下することで起きる相対湿度の上昇なども、
室内全体の高湿度状態が長く続く理由の1つです。


□ 別荘内部の湿気対策法
 このような事から、室内をカビ臭くしないための対策としてはこの3点です

 
床下の湿気対策をする事で、建物内に侵入する湿気量を減らす。
 建物の断熱性能(特に屋根・二階壁)を確保する。
 
別荘を使用していない期間も、建物内に進入した湿気を常時排出できるようにする。 

   今回の特集は、その中のⅠ床下の湿気対策で、次回でⅡ、3回目でⅢを特集します。 

□ Ⅰ床下の湿気対策

床下の通風
昔から床下の湿気対策と言えば、風通しを良くして湿気を抜くと言う考え方が主流でしょう。
ですから、建築法規でも床下の湿気対策として、300c㎡の基礎換気口(
写真①)を5m以内に付けるように規定されています。
ただこれは、このようにすれば確認申請や完了検査が通る基準であって、湿気対策がこれで十分と言う意味ではありません。
実際、5mおきに換気口があっただけで湿気が抜けるのかと言うと正直言葉に詰まります・・・。

 写真① 基礎換気口
 

ただ現在は基礎パッキン工法(
写真②)と言うプラスチックのパッキン材を土台と基礎の間の、要所要所に夾む工法を採用している所も多くなっています。 工事単価もさほど高くならない割りに開口面積が広く、基礎換気口と比較しても、こちらの方が断然優れています。

  写真② 基礎パッキン工法
 

ただ、これら通風系の湿気対策の欠点は、弱い風では少ししか換気しない事です。 特に6~10月迄の大気湿度も気温も高くなり、カビの繁殖しやすい季節で、あまり強い風が吹かない(気象庁軽井沢の平均風速参照)のでは問題でしょう。

だから、割合乾いている土地の建物では、通風系の換気対策だけでも良いのかもしれませんが、今回のような、床下から蒸発した水分が多すぎる建物( 雨樋無しの別荘や、元々湿りやすい土地での建物)では、換気による対策だけでは間に合いません。

つまり、通風での湿気排出出来る範囲に地盤の水分蒸発量を押さえる工事が、他に必要だと言う事です。





地盤の防湿工事


先程の、地盤のからの水分蒸発を減らすのに一番効果的なのが、防湿シート又は防湿シート付断熱材を地盤面の上に敷いた上に、コンクリートを打つ方法です。写真③ ④   こうすると工事直後は水分が多ても、防湿シートから上は、これ以上の水分供給が無くなるため、その上のコンクリートは徐々に乾燥して、1年後位になるとコンクリート工事水の水分蒸発は、ほぼ無くなります。
ちなみに、この工事をすれば建築基準法上、基礎換気口等は無くても構わなくなります。

 写真③ 布基礎での防湿工事
 
床で気密断熱を取る場合の地盤防湿方法。
気密シートの上の上に土間コンクリート
を打ち、基礎パッキン工法と併用した防湿方法
基礎で気密断熱を取るの場合の防湿方法。
壁と基礎は一体となって断熱する対象になるので、土台と基礎との間は隙間が開かないよう気密施工する。 当然床下換気口などは無しだが法規上の問題は無い。。


 写真④ べた基礎で、基礎断熱場合の防湿工事(床下通気無し)
布基礎か、べた基礎かを選択する基準は、地盤調査結果次第です。
地盤改良無しの場合、べた基礎の方が地盤が弱い所でも対応可能ですが、
金額も少し高くなります。(べた基礎で対応出来ない地盤強度の場合は、地盤改良が必要。)

 


□ Ⅰ床下の湿気対策まとめ

当社が別荘
(住宅も含め)新築工事を行う際には、当然ながら上記の地盤の防湿工事に加え、基礎パッキン工法を織り交ぜて
工事をしています。  尚、これらの工法は、現在、当社だけでなくハウスメーカや、しっかりした工務店・建設会社などでは普通に行われている工事ではあります。
しかし、地盤の防湿工事は換気口さえあれば建築基準法上絶対必要な訳では無いため、ローコスト系の会社などでは金額を落とすため省かれたり、場合によっては、床下コンクリートを打ちながら、下の防湿シートが敷かれていない・・・などと言う現場も見たことがあります。


それと、これら床下にコンクリートを打つ、床下防湿工事は、最近ではかなりの割合で増えてきていますが、20~30年前位になると
まだ、施工されていない方が多いと思います。

ですから、カビにひどく悩まされている昔の別荘では、まずこの工事はしてありません。
(もしこの工事有りで湿気がひどい場合、傾斜地で擁壁の一部を床下や部屋の一部に使用しながら、湿気対策してない・・・とか、床下空間が地盤面よりかなり深くなっている・・・などが考えられます。)
そんな別荘に、カビ対策と称して、床下に炭やサンゴを入れる事を推奨する業者もいますが、炭を大量に入れて、その炭が湿気を吸って一時的に床下湿度が落ちても、地盤からの湿気供給が続けば、次第の元の湿気状態に戻りますので、地盤防湿対策無しにそんな工事をしても全くのムダです。

あと他の対処法として、
床下用換気栓という基礎換気口に交換出来る専用換気栓を付け、常時床下空間を強制的に換気する方法もあります。 これは、炭とは違って一定の効果はあるものの、この工事のみでは床下防湿工事ほどの効果は得られません。



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