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   トップページへ        車いす対応の別荘 I・M邸     2009年3月  サイト管理 (有)土屋建築 土屋紀明
群馬県吾妻郡嬬恋村大前99-1
TEL     0279−96−0356
FAX    0279−96−1101

 この建物は、昨年秋に打ち合わせを始め、北軽井沢に Iさん・Mさん姉妹家族使用の別荘として建築しました。
 私に新築の打ち合わせの相談を受けたのは去年秋からだったのですが、その前は、程度のよい中古別荘を探していたそうです・・・・。
 ですが、Mさん宅で車椅子を使用する家族がいるので、普通の別荘を買っても車椅子使用に対応する改修工事するのに結構お金がかかってしまうとの事・・・。 
 結局、「中古別荘+改修工事」を考えるよりも、もう少し予算がかかっても別荘を新築した方が良いと言うことになったそうです・・・。
 そのような訳で、プランをまとめる上での注文と、実際の対策をまとめてみると・・・。

 @ 1階部分を車いすに対応出来るようにする。 
 A ローコスト化。
 B 水抜き管理費用を節約するため、水抜きを自分で行う。  
 
 @は、まず車椅子の移動に問題のないような床の段差や開口部寸法や、洗面など車椅子で使用出来る設備にする事はもちろん、手摺選択や取付位置などは本人の使い勝手もあるのでMさんと相談の上取付
 尚、初期のプランでは、トイレには「跳ね上げ手摺」を取付、浴室は「三枚引き戸入り口」のプランだったが「予算も含め別荘にそこまでは必要はない・・。」とMさんが言うので取りやめ 
(跳ね上げ手摺の下地工事のみ)
 になった。
Aに付いては、ローコストとはいえ安っぽかったり、耐久性が劣るようにはしたくなかったので、間取りやディテール、器具選定、内装材選定を工夫する事で対応・・。断熱性能も少し落とし、普段当社は窓ガラスは 「 12mmアルゴンガス入りのLO-eペアガラス」 と高性能品を使うのだが、今回は 「12mm空気層ペアガラス」 とし、屋根断熱も通常より少し薄い150mmの高性能GW16Kの充填としました。 
Bの水抜きに関しては、自分で手順を覚えて作業出来れば維持費が一番かからない方法ですが、失敗すると配管やら、給湯器、水栓金具などが駄目になってしまうので、水抜き手順が簡単に覚えられ、凍結で壊れ難い器具を選ぶ用に・・・。 
( 寒冷地用とか、水抜き可能の機種との表示があっても器具によっては水が抜にくい物もある。 例えば水栓の機種によっては、水抜き管理業者は、マニュアルにある水抜きコマを緩めるだけでなく、配管から外し本体を振って水抜きする場合も少なくない。 )

それと工事を終えた感想ですが、施主さんたちも建物に満足してもらえたようですし、プラン的にもなかなか貴重な経験が出来て良かったと思っています。
 
 
  ■ 外観


    



外壁南  板張りシッケンズウォルナット色
その他外壁部    窯業系サイディング縦張り 
屋根   ガルバニウム鋼板横葺き



デッキは当社の通常通り、耐久性を良くするため
木材部分を加工後、工場にて防腐注入加工し
塗装(シッケンズ)後にステンレスビスにて組付
 

 


北西面の様子・・・

  ■ 居間  ■ 玄関靴入れ収納   ■ 居間南側






内装はコストの関係上クロスを多用する事となったが、
梁など木材を表面に出す事によってウッディな雰囲気に。





収納棚はダボ固定による可動式
玄関タイル面と床面は車椅子使用のため段差なし。




建物全体の主な暖房は、配管式FFヒーター1台。
当社の通常よりは断熱性能は低めだが、
ヒーター1台でじゅうぶん暖房可能。

  ■ 居間     


 

居間からキッチン側を見る
左が和室の襖を開けた所で右は閉めた写真


暖房の熱が行き渡らせるため、
間仕切りを少なく開放的なプランに・・・。


キッチンに立って居間を見た様子・・・。


  ■ キッチン   ■ 1階 和室  

 



サンウエーブ製オープンキッチン
キッチンの天井のみ柳杉板張り。




和室壁はクロス 天井はシナベニア目透かし張り。






襖を開けた状態。 右襖は、大開口の巾約6尺(1.8m)建具

 ■  2階ロフト    ■  2階ロフトより1階を見る  




2階のロフト・・・
寝室使用も出来るように奥の建具は物入れ


2階のロフト手摺は、建物内装の感じを左右する所なので、
強度を考えつつ木材で軽いデザインなるように考えてみた
ちなみに縦棒は45φのタモ木材を使用


2階から1階を見下ろした様子。 

  ■  2階個室   ■  1階トイレと洗面   ■ 1階 トイレ 


 


左の建具はキッチン上部分になる物入れ。

階段下を一部利用したトイレ寸法は1.2m×1.8m 
カウンター式洗面器は、TOTOの車椅子対応の
専用埋込洗面器。 カウンターはタモ材で製作


トイレは2カ所入り口がある





  ■ 車椅子対応の床   

 この建物は、1階部分は車椅子で支障のないよう考慮して設計しました。  特に外部入り口は、雨仕舞いや気密などを考えると
 一般的な部材や手法が難しい部分なので、今回取り上げてみました・・・。



■ 家具搬入後写真 

玄関開き戸・・・ドア下部分の段差は雨仕舞いなども考慮した上で
最小限の10mm に押さえてある。尚、規格品のドアでこの寸法
に押さえるのは難しく、建具工にオーダーとした。 (尚引き戸なら
段差無に出来るが、気密低下もあるが、コストUPになるため断念)






ウッドデッキに出るサッシは段差の出ないノンレールタイプの
YKKのアルミ+樹脂複合サッシを選択。
ちなみに、樹脂サッシにはノンレールタイプの製品は無い。
 

施主さんが選んだ家具を配置した後の様子。
色合良く、格好よかったので1枚撮らせてもらいました。


 断熱

 屋根断熱 高性能グラスウール16kg品150mm     壁断熱 高性能グラスウール16kg品100mm     床断熱 押し出し発砲ポリスチレン3種50mm   
 窓 シャノンプラスチックサッシ        ガラス12mmペアガラス     ドア 木製建具工製作 押し出し発砲ポリスチレン断熱材30mm挟み込み
 暖房 灯油配管式FFヒーター 1台
 換気 3種セントラル換気
 

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