暮らしと設備編  home 執筆・編集 (有)土屋建築 土屋紀明  
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6. 照明計画  

    2003.12

 照明は全体的な明るさ重視で、「部屋の真ん中に、蛍光灯照明で充分」という考え方もありますが、その家の雰囲気を重視して、
 もっとこだわった照明計画を考えてみてもいいのではないでしょうか。
 でもそうするには配線の問題があるので、後から「この場所に、この照明器具を付けたい。」 と言ってもうまく行きません。
 図面や、内装計画などと一緒に早くから考えた方がいいと思います

 H別邸  別荘の建替えで設計・施工した物件です。 建物に関しては、「山小屋風に」と言う位で大部分任されたので
        照明計画・器具選定は内装と共に図面の段階で考える事ができました。
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居間
梁下に照明レール
(3m×3本)を取付けたが、出張ると格好悪いので梁に溝を突いて埋込んだ。(上棟前に、梁を加工した。)
レール用スポット照明には、100V85Wのダイクロイックミラー付ハロゲン球を使用している
ものを採用.。
いままで一般的だったレフ球やビームランプに比べ電球自体が小さいので、照明器具があまり目立たなくできる。
また、効率がよくランプ寿命が
(レフ、ビーム球に比べ3〜1.5倍)長持します。
(別荘でなく住宅だった場合、自分でメンテナンスをすると考えるとランプ寿命は充分ではない。その場合は、蛍光ランプを使った器具を選ぶとか、照明計画を考え直す方がいいと思う。)
なお、居間は調光器を付けてあります。

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 照明豆知識

 ダイクロハロゲン球とは、スポットライト用電球で、ハロゲンランプの廻りの反射板(ミラー)部分にダイクロコーティングさせたもの。(ミラー部分のコーティンクが虹色に 輝いて見える) これにより熱線がミラー部分に、吸収、又は裏側に透過するので、スポット光に熱があまり含まれないという利点がある。 よく店 舗のディスプレーに使われるのはこの理由も。 写真は100V球だが12Vのタイプもありこちらの方が効率が良いし小型化ランプもあり選択の巾が あります。 しかしトランスが必要になるために価格が少し高くなるのと、レール対応の場合根元部分にトランスボックスが付くので相対的に大きくなっ てしまう。 なお、12Vの中にはミラーとハロゲン球を別にしてランプの価格を安くしているものもあります。

  

1階トイレ

トイレ収納と鏡とを組み合わせ建築化照明として計画し、写真右のように間接照明
(ランプは50φ40Wボール球×2)だけでトイレ全般のあかりとしました。
普通、コーブ照明
(天井面照明)を採用すると、ランプ交換や埃溜りなどの問題がありますが、このような使い方をすればメンテナンスが簡単だろう。 天井板が一部斜めなのは、階段下で高さがとれないという事もあるけれど、光を反射するという意味もあります。また下の照明は、洗面器を見えやすくするのと、上下のデザインのバランスを取る意味もあります。
(尚、普通、化粧鏡廻りの照明は鏡前の顔を明るく照らすのが基本だけれど、洗面所が別にあるのと、ここは手洗専門なので演出性中心で考えました。)
扉を開いた時の写真

 照明豆知識
 
 建築化照明とは、建物躯体内に照明器具を隠し壁や天井、床などを照らしだす照明方式をいいます。
  代表的なのは天井面を照らすコーブ照明と壁やカーテンなどを照らすコーニス照明、その両方のバランス照明などがあります

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食卓上ペンダント (写真左)
ペンダントは照明器具の中で一番目立つ位置にあるため、選定には気を使います。ここでは、デンマークのレ・クリントのペンダントを使用してます。
(プラスチックセードが折り紙のように使われていて、なかなか温かみのあるペンダントです。また、デザイナー照明の中では、比較的安価なので使いやすいと思っています。)

2階和室ペンダント (写真右)
和紙と竹の自然素材を使った提灯風のペンダント
(有名なイサム・ノグチ
ではありません)
です。目立つ器具の素材感は大切だと考えています。(和風ペンダントの中には減ってはきてるが、木目調プラスチックをふんだんに使っているものもある。) なお、提灯風のペンダントは和室以外でも合わせやすい照明です。


階段ブラケット
 (写真左)
本当はもう少し上に取り付けた方がいいのですが、電球交換を考えてこの位置になってしまいました。ランプはミニクリプトン60Wです


2階トイレ (写真右)
Hさん家族と話を進めるうちに思い出の漫画本をトイレで読めるようにしようと話が盛り上がりました。実際にトイレで読むかわかりませんが、照明と窓の位置は手元が暗くならないよう配慮してあります。






外部照明
敷地内に玄関までのアプローチ灯や浴室前、居間から見える庭など、廻りに外部照明は8灯あります。
本当は、もみじなど造園工事で植えた格好のいい木を、下から外部用スポットライトで照らせば、きれいだと思いますが、冬除雪されずに雪の下になることを考えると、あまり低位置の照明は使いにくいです。

自宅 10年以上前の建物なので、あまり参考にならないと思いますが写真掲載に気を使わなくていいので載せることにしました。

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昼間、トップライトからの明かり

廊下埋込照明
昼間はトップライトから。夜は電球からの明かりで廊下を照らすようにしました。


廊下飾り棚照明

自宅なのでどうなるか試しでやって見た事の一つです。
(さすがに自信のない事は仕事では出来ない。)飾り棚の裏側に10Wのショーケース用蛍光灯照明を取り付けてみました。上にガラスを敷き、明かりが上下に分かれるようしてあります。(器具が目立たないよう視線の高さに取り付け、安定器は離してあります)下は電話台になっていますが、飾り棚だと効果的でしょう。






階段ブラケット

鉄板スリットの隙間が横しかなく、これだけ細かいとグレア
(ぎらつき)が気になりません。個人的には好きな照明だったのですが、
すでに廃盤になったらしく、カタログ
(ヤマギワ)に載っていません。



飾り棚を下から撮ったもの

階段ブラケット拡大写真
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床の間照明

床の間照明も最近はかなり一般的になってきました。この場合は全般を照らす蛍光灯照明ですが、別荘でピンスポット照明を使ったこともあります。

和室ペンダント



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